開発者の視点
10秒で着用 肩と股間で腰を支える
腰の負担を減らそうと開発されたアシストスーツ「楽衛門」 ヘルニアにより4回もの手術を経験した杉村清社長が、様々な腰痛ベルトやアシストスーツを試してきた経験から、「手軽に身に着けられるものを」と開発に着手した。
特長は、作業着とアシストスーツを一体化させた点。アシストスーツの機能の有無は、ショルダーベルトの調整で切り替える。アシストには動力ではなく、ゴムの復元力を利用して腰をサポート。両肩と股間の3点を支点として体を起こす仕様とした。杉村社長は、「骨盤の位置が安定するため、まるで無重力のように腰が浮き上がる」と話す。
肩や股間部分は、クッション性の高い素材を用いて摩擦や喰い込みなどから守る。丸洗いも可能で、衛生的だ。その耐久力にもこだわりを見せる。
開発は、特殊ミシンを持っている工場を探すことから始めた。強度を保つため、つなぎ目部分に厚手の生地8枚を重ねる。これを実現してくれる工場を何件も回って探し、こだわった縫製。「体の動きにフィットするウェアを作りたい」。その想いからだ。
2年の構想、2年の製作期間を経て生まれた同製品。着用時間は、たったの10秒。「手軽に使用できるアシストスーツとして、腰の負担軽減につながったらうれしい」と話す。